神戸大学博士課程後期課程(2020年度現在)の岩間美佳さんに、彼女が使用している1930年代創作版画研究のアーカイヴについてご紹介いただきました。
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近代日本美術史のうち、とくに大正期から1930年代の創作版画家の活動に関心があり研究対象としています。印刷メディアの発達と近代西欧美術・文芸の旺盛な受容を背景に、明治末頃から雑誌という媒体を舞台に「自画・自刻・自刷」をモットーとする創作版画の活動が展開されました。近代の日本の芸術に表出した「自己」をめぐる考察を行ううえでも、創作版画の辿った道筋を吟味することはとても意味のあることのように思います。
神戸大学大学院国際文化学研究科博士課程後期課程2年 岩間美佳
明治末~大正期の雑誌5誌(『方寸』、『現代の洋画』、『美術園』、『東洋美術』、『みづゑ』)の基本情報と表紙の画像、目次、図版のリストが収められています。全てのページを画像で見ることはできませんが、復刻版が出ているものもあります。
2. 版画堂ギャラリー
3. 山田書店
どちらも版画ギャラリーの目録です。とくに2の版画堂のカタログは、収載する画像の数が多く、その方法も作家の知名度や制作年代に関わりなく、また版画だけではなく雑誌などの刊行物や手紙なども並列して扱っている点で、定期的に確認しておくと意外な発見があることがあります。紹介者自身は収載の画像を年代毎に並べ直し、日本の版画史全体の流れを概略的に確認するための参考としています。
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※この記事公開後、栗田秀法先生に、名古屋の山星書店のサイトもご紹介いただきました!この場を借りてお礼申し上げます(松井:2020年10月8日)
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